2021年度版「公務員をめざそう」
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OB・OGからのメッセージ23公務員をめざそうたくさんの出会いと経験は“未来の自分”の強み 裁判所には「公正中立であること」と「適正迅速な裁判を実現すること」が求められます。この責務を果たすために、裁判所職員には法律の知識が求められますが、これは働き始めてから身に付けることも可能です。それよりも、これまでの経験を通して実感したことは,「コミュニケーション力」がいかに大切かということです。 私は今、民事部の書記官として裁判事務に携わっています。書記官は裁判を手続面から支え、当事者、弁護士、担当裁判官と情報を共有して、裁判を滞りなく進行させる役割を担っています。中立性を保ちながら、訴訟関係者と調整等を行う必要があるため、難しい対応を求められる場面も少なくありません。様々な状況に対応するには、まず、相手が何を求めているのか理解するための聞く力、それから、こちらが伝えたいことを説明するための話す力が必要です。ときには、先輩書記官と相談や議論をし、どのような対応をすべきか、どの手続を取ることが適切かを考えます。こうしたコミュニケーションをしっかり取ることで、手続が適正かつ迅速に進んでいくことにやりがいを感じています。 「コミュニケーション力」は、人と接してこそ鍛えられるものです。私自身も在学中は、サークル活動、インターンシップ、アルバイト、語学留学等の機会を通じて多くの人と出会えたことが、今の自分の強みになっています。皆さんも学生のうちにしかできないことをたくさん経験し、充実した社会人生活をスタートさせてください。応援しています!渡辺 彩加さん● 東京地方裁判所 勤務● 法学部 法律学科 卒業公務員にまず必要なものは 平成元年に会計検査院に入庁以来、国内留学2年間と海外出向の3年間を挟んで、約30年霞ヶ関で勤務しております。 「公務員」を職業としてとらえた場合のイメージは、一昔前の「安定している」「民間よりラク」というものから、「深夜まで働かされる」「サービス残業が多い」などへとだいぶ変わってきました。ただこうしたイメージは必ずしも間違っていないとしても、あまり一面的に捉えると現実を見誤ります。公務員にまず必要なものは、国民に対する奉仕を第一とする責任感です。「安定」とは、この責任を果たす上で必要な仕組みの一つに過ぎません。 天災、事件、事故、経済危機、国際紛争など、社会全体に影響を与えるような重大な事態はいつ起こるか分かりません。そのとき、各国家機関、そしてそこに所属する公務員は、それぞれの責務を果たすため、時には極めて過酷な条件の下で勤務を行わなければなりません。現状、公務員の人員には必ずしも余裕はないので、心身の限界に近いところまで働かざるを得ないこともあります。 しかし、その仕事が国民のためのものであるならば、責務を遂行する充実感は大きなものとなります。私自身も、地下鉄サリン事件、米国同時多発テロ、東日本大震災などの大事件や大災害を目の当たりにしたり、国会論戦への対応に忙殺されたりするなどいろいろな体験をしましたが、その現場には常に誠実に働く公務員の姿がありました。 また、会計検査の現場では、様々な日常的な問題の最前線で地道に活動する公務員の仕事ぶりに触れることもできました。一人一人のできることは確かに小さいかもしれませんが、自分らの職務を全うすれば行政組織を通じて、わが国の隅々にまでその影響を与えることもできます。 公務員の仕事は様々ですが、もし「国民に対する奉仕」という概念に少しでも心が動くのであれば、ぜひ職業としての公務員を目指してがんばってください。山崎 健さん● 会計検査院 勤務● 法学部 政治学科 卒業NO IMAGEOB・OGからのメッセージ第一線で活躍する先輩から公務員を目指す皆さんに温かいメッセージをいただきました。

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